17年前の保育園の反省はどこに?退職強要で2回目の裁判

 初めまして。小口と申します。横浜合同法律事務所入所30年目の弁護士です。
 7月14日、横浜市緑区長津田にある民間の保育園を相手に裁判を起こしました。
 この保育園は、夫婦で経営しているのですが、とても不思議な保育園です。保育士が少し保育園に慣れてくると、園長の夫と副園長の妻から、強圧的に退職強要がなされ、次々と辞めさせられてしまうのです。設立後30年以上が経過する歴史のある施設なのですが、現在、1年以上勤務し続けている保育士は一人もいないという異常な状態になっています。
 裁判を申し立てた保育士は、ある日、副園長から、内線電話で午後3時から7時までの4時間にわたって罵声を浴びせられて退職を迫られ、その後、働くことができない状態が続いています。
 そのまさに同じ日、別の保育士は午後7時から夜中の12時まで退職強要され、数日後には別の保育士がやはり5時間にもわたって退職強要されました。
保育士たちは、園長夫妻から「1年間の悪行を謝りなさい!」「自分の悪い点を3つ言いなさい」などと責め続けられました。最初こそは絶対に「辞める」とは言わないようにしようと心に決めながらも、最後は、精神的に追い詰められ「辞めさせていただきます」と言うように仕向けられてしまいました。
実は、私は17年前にも、この保育園で退職強要されて働くことができなくなった保育士の裁判を行い、解決させたという経験を持っていました。退職強要を行った副園長に対する反対尋問中、副園長を泣かせ、反対尋問が中断するなどということもありました。その時は、保育園は大いに反省したのかと思っていましたが、実は、全く反省しておらず、同じような退職強要を続けてきたようです。
 被害者という点では子供たちも同じです。担任もクラスも毎日のようにコロコロ変わり、その結果、子供たちは落ち着いた保育が受けられないからです。
ところが、待機児童人数日本一の横浜ですので、どこでもいいから預かってくれさえすればいいということになって、こんな施設が17年間も温存されてしまったのではないかと思います。
 今回の裁判では、園長、副園長には、心から反省してほしいと思っています。
 横浜市は「民間の力の活用による保育環境の改善等を図るため、市立保育所の民間移管を進めています。」などと言って、安心安全な公立保育園を減らし続けています。
 また、小さな政府だとか公務員の減員とかが声高に言われていますが、これらは、私たち市民の受ける行政サービスを減らす結果にもなりかねません。
 誰もが安心して仕事を続けて自己実現・社会参加ができるような社会にしたいですね。(小口千惠子)

.21 2010 未分類 comment0 trackback0
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