詐欺求人相談ホットライン

直前ですが,明日2月25日15時~21時,詐欺求人相談ホットラインを実施します。
募集条件と実際の労働条件が違う!こんなはずでは・・・という方,お気軽にお電話下さい。
神奈川の方は045-651-6441まで。
神奈川県以外の方の連絡先はこちらを参照下さいhttp://roudou-bengodan.org/topics/detail/20160215_post-153.php
160224詐欺求人相談ホットライン
.24 2016 労働事件 comment0 trackback0

神奈川フィルの不当解雇を神奈川県労働委員会が断罪

神奈川フィルハーモニー管弦楽団の2人のコントラバス奏者(布施木さん・杉本さん)が解雇されたのは2012年4月であった。神奈川フィルは神奈川県を拠点とするオーケストラである。しかし赤字を理由に人件費は切り詰められ,例えば 勤続31年の布施木さんですら解雇直前の年収は手取額で300万円台。2004年以降賃金は26.6%と大幅にカットされたまま回復されていない。
 布施木・杉本さんは楽団員であると同時に,楽団に対してもの申す労働組合(公務公共一般労組)の役員であった。このオーケストラにはもう一つ日本音楽家ユニオンという労働組合がある。音楽家ユニオンは歴史的には一定の役割を果たしてきた労働組合ではあったが,神奈川フィルにおいては少なくとも2003年に楽団の意を受けた人たちによって執行部が握られてしまい,以降ユニオンは楽団の提案する各種労働条件の切り下げに合意してきた。杉本さんはかつてユニオンの執行部の一員であったが,中心から外れてしまった。
 杉本さんは,2008年には若手奏者をいじめたと一方的な嫌疑をかけられ,再三の呼出をかけられる等のパワハラを受けた。布施木さんも楽団に同調しないということで次第に楽団から疎んじられた。楽団はいろいろ調査を行ったが,この「いじめ問題」なる言いがかりで処分を下すことなどできなかった。
 こうした経過の中,布施木さんら有志が公務公共一般労組の神奈川フィル分会を結成することとなる。すると,2009年11月沖縄で行われた演奏会において楽団側のミスで楽器が届かないというアクシデントが起きた際,布施木さんが代替の粗悪な楽器で演奏を命じられたことに抗議すると,その言葉尻をとらえられその後呼び出しに応じないとして布施木さんは処分を受けた。
 さらに2010年3月の楽団評議員会では,理事らは公務公共一般労組のことを「共産党系」の組合と決めつけ,「日本音楽家ユニオン」は「正しい組合」である,今後公務公共一般労組とは「長期戦になるので日常の仕事に差し支えないように考えないといけ」ないなどと露骨な組合攻撃の議論を始めた。この評議員会議事録は法務局に記録として残っている。
 そして2010年4月就業規則が変更され,「技能が著しく低下した時や楽団が任命した音楽的責任者からの指摘があった時」と解雇条項が改められた。それと前後して,オペラを指揮した指揮者の沼尻竜典氏が公務公共所属の団員6名の演奏技術,演奏態度に激怒した,との理由で6名が一部演奏から外された。しかしその沼尻氏が激怒した理由はその後も明確にされていない。なお6名のうちの1名が公務公共一般労組を脱退するとすぐに演奏に復帰することができたというのも実に露骨な差別だ。
 ついには,神奈川フィルの常任指揮者だった金聖響氏が2012年1月付とされる二人に対する「対応」を求める文書で,布施木さん・杉本さんのことを「音楽的技量の部分で・・職責を全うしていない」,第九の演奏会で「チームワークを乱すような様々な言動は敵意さえ感じる」と最大限の表現で攻撃するに至った。しかし金聖響氏は肝心の労働委員会の審問でこの文書について問われると,具体的な事実を挙げることはほとんどできなかった。指摘したのは,指揮者と目を合わせないとか,練習の際小声で隣席の同僚に愚痴を言ったのが聞こえた,というせいぜいこの程度のことだそうだ。
 仮に指揮者が激怒するようなことがあったとしても,そんなことでいちいち解雇されていたのでは,オーケストラ団員は首がいくつあっても足りない。しかもオーケストラの団員と指揮者は上下関係にあるわけではなく,共に協調して音楽を作り上げていくパートナーなのだ。練習の場で対立があっても,それは音楽家同士の音楽の解釈を巡るせめぎ合いともいえる。こんなことを解雇理由として楽団に文書を出して対応を迫る指揮者も指揮者である。
 解雇直後,布施木さんたちは裁判所で仮処分を行ったが,裁判所は冷酷にもこれを却下。布施木さんたちは高裁に抗告手続を行ったが認められなかった。場所を県労働委員会に移し,1年8ヶ月の審理期間を経て、ようやく2014年7月24日,労働委員会は楽団に対し「2名の解雇をなかったものとして取扱え」との命令を下した。2人の解雇は労働組合活動への不利益取扱・組合つぶしであると明確に断罪された。
 不当なことに,楽団は中央労働委員会に再審査請求を申し立てたため,この秋から中労委での手続が始まる。また平行して横浜地裁では本裁判が闘われている。是非皆様の支援のご連絡をお願いしたい。
 詳しくは「杉本さん布施木さんの解雇を撤回させ、神奈フィルを良くする会」のウェブサイト http://www.kanaphil-yoku.sakura.ne.jp/ へ。(中村宏)
.25 2014 労働事件 comment1 trackback0

最低賃金裁判提訴~時給1000円以上の最低賃金を実現するために~

 労働者の賃金は、最低賃金法に基づいて、各都道府県ごとに最低賃金が定められています。平成22年の時点で、神奈川県の最低賃金は818円です。
 この最低賃金について、私たちは6月30日、神奈川労働局長に対し、神奈川県の最低賃金を1000円以上とする決定を行うよう命ずる判決を求め、横浜地方裁判所に提訴しました。
 平成19年の最低賃金法改正により新たに9条3項が設けられ、各都道府県ごとの地域別最低賃金を決定するにあたり、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮することが定められました。この規定の趣旨は、最低賃金が生活保護を下回らないよう配慮することであると国は繰り返し説明しています。
 そして、厚生労働省によれば、神奈川県は最低賃金が生活保護を下回る逆転状態にある都道府県の一つとされ、改正法が施行された平成20年以降、逆転状態の解消に向けて、昨年までの3年間で最低賃金は合計82円引き上げられました。また、厚生労働省によれば、神奈川県の最低賃金が836円に引き上げられれば、生活保護との逆転状態は解消するとされています。
 ところが、厚生労働省が発表している数字には、多くのゴマカシが隠されているのです。
 最低賃金は時給によって定められているのに対し、生活保護は月額で定められています。そのため、最低賃金と生活保護を比較するため、一定の計算が行われています。しかし、この計算の中に、5点ものゴマカシがあるのです。
 1点目は、最低賃金と生活保護を比較するにあたり、時給で定められる最低賃金に、毎月の労働時間として173.8時間を掛けている点です。173.8時間を掛ける根拠は、この数字が労働基準法上想定される最長の所定内労働時間だからです。しかし、国が行っている毎月勤労統計調査を見ても、一般労働者の所定内労働時間は、過去数年155時間前後で推移しています。そのため、173.8時間を掛けることは、実態よりも、所定内労働時間を大幅に水増しするものです。
 2点目は、公租公課の負担を除去して最低賃金と生活保護とを比較するため、0.859という係数を掛けている点です。この係数は、沖縄県の公租公課の負担率を根拠として定められています。しかし、沖縄県は全国で最も最低賃金の額が低いため、公租公課の負担率も全国で最も低くなっています。そのため、神奈川県で働く労働者の公租公課の負担率は、中央最低賃金審議会が計算に用いる沖縄県の公租公課の負担率よりも、もっと高くなっています。それにもかかわらず、沖縄県の数字を神奈川県でも用いることは、神奈川県の労働者の公租公課の負担を過小評価するものです。
 3点目は、勤労経費が全く考慮されていない点です。最低賃金で働いている人も、労働によって収入を得るには、労働に伴う一定の経費が必要となります。そこで、勤労経費を差し引いた金額と生活保護とを比較しなければ、正しい比較となりません。現に、労働によって収入を得ながら生活保護を受給する場合にも、勤労経費は考慮されています。ところが、中央最低賃金審議会が最低賃金と生活保護を比較するにおいて、勤労経費の点は全く考慮されていないのです。
 4点目は、級地間の調整です。最低賃金は、各都道府県ごとに一律の金額で定められています。他方、生活保護は、各都道府県を複数の級地に分け、生活保護の支給額を決めています。そこで、中央最低賃金審議会の計算では、人口加重平均によって生活保護の平均額を求め、最低賃金と比較しています。しかし、生活保護の平均額を上回っていても、平均額以上の生活保護の支給を受けている人もいるのですから、逆転状態を解消したことにはなりません。
 5点目は、住宅扶助費です。中央最低賃金審議会の計算では、生活保護の住宅扶助費について、実績値を用いて最低賃金との比較を行っています。しかし、この点も、実績値を上回っていても、実績値以上の住宅扶助費の支給を受けている人もいるのですから、逆転状態を解消したことにはなりません。
 このように、厚生労働省が公表している数字には、計算にあたって5つの大きなゴマカシがあります。そのため、神奈川県の最低賃金が836円に上がっても、生活保護を下回る逆転状態は解消しません。神奈川労連の試算では、逆転状態を解消するには、1471円の時給が必要とされています。
 そこで、地域の賃金水準や事業者の支払能力といった最低賃金決定に関する他の要素、さらには行政の裁量を考慮するとしても、最低賃金は1000円以上でなければならないとして訴訟を提起したのです。
 現在、神奈川県内で求人募集などを見ると、時給800円台の仕事がたくさんあります。そのような中、生活保護との逆転状態の解消を定めた最低賃金法9条3項を法的根拠として、最低賃金を1000円以上に引き上げることを求めた時、むしろ、生活保護が高すぎる、生活保護を引き下げろという声が強まるのではないかという危惧を指摘されることもあります。
 しかし、時給1000円では、毎月155時間働いても月収で15万5000円、年収で186万円にしかなりません。ここから、公租公課や勤労経費を除けば、手取額はさらに少なくなります。このように具体的な数字で考えた場合、時給1000円は決して高くない、労働者が人間らしく生活するために、まさに最低限必要な金額なのです。
 労働者が勤労収入だけで人間らしい暮らしを営むことができる権利、人間らしく生き働く権利を実現していくため、最低賃金はどれだけ低くても1000円以上でなくてはならない、この点も訴訟では訴えていかなくてはなりません。
 この訴訟が、1000円以上の最低賃金を実現する一つの契機となるよう、全力を尽くしてまいります。(田渕大輔)
.24 2011 労働事件 comment0 trackback0

建設アスベスト訴訟大詰めへ-働く者の命を守るために闘う


【神奈川建設アスベスト訴訟とは】
アスベストは、火に強い、電気を通さない、などの特徴をもつ天然の鉱物である。安価で加工しやすく、産業界では「奇跡の鉱物」と呼ばれて重宝され、建設資材などに広く使われてきた。しかしアスベストは発がん性があり、石綿肺、肺ガン、中皮腫という恐ろしい病気を引き起こす「悪魔の鉱物」でもあった。国と企業は、アスベストの危険性を知りながら、長期間にわたって知らん顔をして使用を拡大させてきた。
建設アスベスト訴訟とは、アスベスト粉塵がたちこめる現場で作業に従事した建設労働者とその遺族が、国と企業に本当の補償と救済を求めている裁判である。
【私が弁護団に入った日のこと】
今年2月、私がこの弁護団に入った日、50年も配管工一筋で働いてきた原告の大工Aさんの自宅を訪ねた。病気と闘いながら生きる日々をビデオに録画するためである。Aさんは、1964年の東京オリンピック前後の10年間の建築ラッシュの際には、日本全国の現場を飛び回っていた。そんな建築ラッシュの中で、アスベスト粉塵で真っ白に曇った現場で連日作業し、大量にアスベストを吸い込み続けた。
 Aさんは、少しずつ肺の機能が低下しとうとう働くことができなくなった。石綿肺だった。現在は、24時間、鼻に酸素吸入器をつけ、一日のほとんどを自宅のベッドの上で過ごす。家中に吸入器のチューブがはりめぐらされている。
 Aさんはベッドに座っているだけでも息が切れていた。「ゼゼゼゼッ、ゼゼゼゼッ」と自分なりの息遣いで、懸命に息をしていた。何の苦労を感じることもなく呼吸ができる自分が申し訳ないような、居たたまれない気持ちになった。
 Aさんは、アスベストでそんな状態になっても、自分のやってきた仕事に誇りをもち、また、呼吸が苦しいのに、私たちを笑わせようと冗談を交えて昔話をしてくれた。
 裁判で病気が治るわけではない。しかし被害者が声を上げなければ、働く人の命と健康を尊重する社会は絶対に実現しない。建設アスベスト訴訟は、そういう意義のある裁判である。
【5月20日の期日のこと】
 5月20日の期日で、私は、中皮腫のため56歳の若さで夫を失った遺族女性の尋問も手伝った。尋問で一番印象的だったのが、亡くなった前日の話である。
 女性の夫は、胸の激痛をやわらげるため投与したモルヒネによって、幻覚にさいなまれ通常の精神状態ではなくなっていた。亡くなる前日の夕方、女性の夫は正気に返って、お見舞いから帰ろうとした奥さんに「もう少しそばにいてくれ」と頼んだ。二人は、つけっぱなしのテレビを前に、何を話すでもなく、30分ほどの時間を病室で過ごした。医師からは2週間という余命を宣告され、女性は、夫の命が間もなく燃え尽きるのを覚悟していた。女性は「もう一度、家に連れて帰ってやりたい」と念じながら、旦那さんが眠りに就いたように見えたので家に帰った。
 翌日未明、容態が急変した。女性は、医師からの延命治療の提案をキッパリ断った。夫をさらに生かして苦しませ続けることは、耐えられなかったからである。
【結審に向けて気持ちを新たに】
 事務所には、多くの弁護士がこの神奈川建設アスベスト訴訟の弁護団に入っている。
 1次提訴から間もなく3年、1次原告の裁判は結審を迎える。提訴した後も原告が次々と亡くなっていく。もうひと踏ん張りし、勝訴判決を勝ち取りたい。(清水俊)
.11 2011 労働事件 comment0 trackback0

映画「アンストッパブル」に見る「熟練の技」の重要性

 久しぶりに映画を見た。「アンストッパブル」。熟練機関士と新規配属の若手車掌が,協力して機関士不在のまま暴走する危険物満載の列車をとめるというストーリーである。
 空気ブレーキを接続しないままの操車,電気ブレーキにより停止可能と誤信したまま入替走行中の機関車を下りてポイントを切り替えようとした構内機関士のミスが重なり列車は暴走を始める。対向列車を運転していた主人公の熟練機関士は,後方貨車を暴走列車に衝突されながらも,辛うじて待避させたのみならず,待避時に暴走列車の後方への連結が可能であることを冷静に目視確認した。主人公は年齢を理由に早期解雇通告を受けていたが,職業意識から会社上層部の指示に反し,若手車掌を説得して,後方から暴走列車を追跡し自分の機関車を暴走する列車に連結させようとする。
 現場労働者の心意気と,それに協力する操車係,技師,鉄道局の役人,一方で事故による人命防止より会社の損害の回避を優先する会社上層部という対比は,いつもどの企業でもありそうなパターンだ。
 鉄道ファン的観点から言うと,この映画では最近はやりのCGはあまり使われていない。機関車の脱線転覆シーンや,踏切で立ち往生した自動車を暴走列車が粉砕するシーンなども実写だそうだ。そして全体が極めてリアルだ。米国の巨大な機関車の走行シーンはそれ自体素晴らしいが,それ以上に,連結部への機関車の動力の伝わり,ブレーキ操作の際の貨車の動き,転車台,マスコンの操作,そして随所に挿入される信号,鉄道標識や距離標など,見ているとゾクゾクくるほど,鉄道のシステムを描写している。
 字幕は全て㎞換算で表示されていたが,現地(アメリカ)では速度計や各標識もマイル単位なので,換算するのに最初とまどう。数字は原語で聞いた方がよりリアルだ。最大の危機場面である制限時速15マイルのカーブ手前の速度制限標識が映し出されると,私は思わず指差喚呼(確認)をしてしまった。
 映画が英雄主義的な作りになっているのはハリウッドのお約束ごととして,私は映画のモチーフの1つは労働者の熟練の力への信頼であると感じた。
 2009年には,ニューヨークのハドソン川に旅客機が不時着し,全員が救出されるという事故があった。この奇跡的ケースの運行機の機長は引退直前の57才,副操縦士は49才であった。機長らは川へ通常着陸時と同様の滑るような着水をし,川の抵抗を考慮して,進行方向を反転させて川の流れに乗せるように着水したため機体の衝撃は抑えられ,損傷は後部壁の一部だけで,乗客ら全員が迅速に機体から脱出シューターに避難することが可能となったという。機長はのちに「命が救われたのは熟練を積み,良く訓練された乗務員のお陰です」「パイロットの経験と熟練が少なければ,否定的な結果を我々は目撃することになるでしょう」と述べた。
 ひるがえって日本では,日本を代表する航空会社(JAL)が先日,熟練機長らを大量解雇した。この解雇によってJALでは55才以上の機長,48才以上の副操縦士,53才以上の客室乗務員はいなくなってしまったそうである。一体,安全はどうなってしまうのだろう?解雇された乗務員らは裁判をたたかっている。(中村宏)
.04 2011 労働事件 comment0 trackback0
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